オンラインの説明会や面接が定着するなど、コロナ禍で、大きく様変わりした、就職活動。
“アフターコロナ”に向けた動きが活発化する中、来年春に卒業予定の大学生などを対象とした“就活”が1日から、本格的にスタートしました。
新卒採用の会社説明会が、1日から解禁され、会場には、企業のブースがずらりと並んでいます。
名古屋市港区の「ポートメッセなごや」で始まった『マイナビ就職EXPO』。
合同の会社説明会としては、県内最大級で1日、2日の2日間で、約400社が参加します。
「開始前から長蛇の列ができていたので、解禁日はこんなものなかと驚きが隠せません」(男子学生)
「自分が知らない企業がいっぱいあったので幅が広がったような感じがしました」(女子学生)
就職サービス大手の「マイナビ」が全国の企業を対象に行った調査では、約3割の企業が、新卒の採用を『増やす』と回答。
コロナで落ち込んだ経済の回復を背景に、企業の採用意欲は高く、学生が有利の“売り手市場”になりそうです。
「ウェブのイベントとリアルイベントを実施しているが、企業も直接学生に会いたいということで、今年はリアルなイベントを希望される企業が増えている。2024年卒も今まで以上に人材獲得競争はかなり激しくなると予測されます」(マイナビ 就職情報事業本部 福田圭人さん)
オヤカク=内定を了承したか“親”に“確”認
就活をめぐる“こんなワード”が注目を集めています。
「オヤカク」
「親や保護者が内定を承諾しているか、企業が学生に確認することを指します」(マイナビ 福田さん)
「オヤカク」とは、企業が内定を出した学生に対して「親の了承を得ているか」と尋ねたり、親に直接連絡して、内定への同意を確認することです。
内定をもらった子どもを持つ保護者などへのアンケートでは、約半数が「オヤカクを受けた」という結果になりました。
ちなみに、子どもが全国転勤のある会社に就職を希望したら『反対する』と答えた保護者が、約3割に上ったそうです。
「オヤカクは、企業が学生の内定辞退を防ぐために取り組んでいると考えています。企業も安心して入社していただくために、保護者への確認といった作業を意識して取り組んでいると考えています」(マイナビ 福田さん)
学生が有利となる売り手市場が続くなか、保護者の理解も得て、内定辞退を防ぎたい。「オヤカク」には、企業のそんな思惑もあるようです。
また、子どもが入社する企業に対し、保護者が何を望んでいるのか、もっとも多かった回答は、『経営が安定している』でした。
一方、学生たちに、重視するポイントを聞いてみると…
「重視するポイントは、私は社風というか、一緒に働く人たちの雰囲気がいきいきとしているところ」(女子学生)
「接客業のアルバイトをしているので、サービス業を主に就活頑張っています。自分がキャリアアップできるところが1番いいし、アットホームな雰囲気だと自分がずっと仕事を続けられる秘訣だと思う」(女子学生)
「市役所の勤務に興味があって、自分はやりがいを主に考えていて、やりがいがないと続けられないと思う」(男子学生)
マイナビによると、公務員を希望する学生は増える傾向にあり、なかでも、市区町村の地方公務員が人気だということです。
他には、こんな意見もありました。
「休みとかが多いほうがいいですね。毎日残業をいっぱいするよりお金はそこそこだけど、毎日定時に帰れる方がいいですね」(男子学生)
「安定志向も基準にあるが、若いうちから活躍していきたいと思ってしまう人なので転職を前提に長く働くつもりはないけど、いいところを見つけて就職したいと思っています」(男子学生)
SNSを通じて人柄や考え方など、“素の姿”を知る
社会の変化とともに、変わりゆく、採用のカタチ。
中には、時代を反映した、ユニークな手法を取り入れる会社もあります。
名古屋が本社の「スタメン」。創業7年目、ITサービスを提供する会社が今年から始めた採用方法とは?
「”素顔採用”です」(スタメン コーポレート本部 採用担当 企画責任者 岩田有加里さん)
Q:マスクを外した素顔を見たい?(記者)
「いえ、SNSを使った素顔採用になります」(スタメン 岩田さん)
スタメンの「素顔採用」では、応募してきた学生の「SNSアカウント」が書類選考の代わりとなります。ツイッターなどに、普段どのような投稿をしているかが選考の基準となります。
「アカウントを共有いただいて拝見する」(スタメン 岩田さん)
Q:自己PRしなくていいんですか?
「しなくて大丈夫です。本当に”素”の状態で大丈夫です。」(スタメン 岩田さん)
SNSを通じて人柄や考え方など、“素の姿”を、知りたいといいます。
フォロワーの数は、選考に影響しない
「これまで私自身、新卒採用の面接でよく学生さんと話しているが、学生さんが緊張してうまく話せなかったり、ぎこちなく感じていました。それは本当に学生さんの素なんだろうかと疑問を持つようになりまして、学生さんが1番使っているSNSを採用に使用することで、普段の様子や趣味、価値観が1番表れているのではないかと思っています」(スタメン 岩田さん)
フォロワーの数は、選考に影響しないということです。
「まったく関係していません。あくまで、その方がどういった活動してきたかや、どういった思いを持った方か知りたくて始めております」(スタメン 岩田さん)
「素顔採用」と並行して、従来型の書類選考も行っていますが学生たちはどちらを選んでいるのでしょうか。
「通常のほうが3で、素顔採用が7ぐらい、予想以上に素顔採用の方が反響がよくて、まだまだ小さい会社ですし、企業向け事業なので知名度もな…