小学校の高学年から雑誌のメンズクラブ、MCシスターズを穴があくほど眺めて育った。
欲しいものは山ほどあったけれど、もちろん買えるはずもなく。
大学生になってアルバイトをして少しずつ買えた時の喜びはひとしおだった。
コンバースのハイカットシューズもその一つ。
キャンバス地で踵に星マークがついている、オールスターと呼ばれるバスケットシューズ。
星マークにはサインが入っていて、それはコンバースを有名にしたバスケット選手のサインだったと記憶している。
白か黒か、ものすごく悩んで白を選んだことをいまだ覚えている。
リーガルのコインローファーは特別な日にしか履かなかったけれど、コンバースはいつも履いていた。
たいていの服におさまりよく似合った。
社会人になって、いつしかコンバースを履かなくなった。
しばらくはお休みの日に履いていたような気もするが、履くたびに紐を結ぶめんどくささがあった。
息子が生まれると、自分の靴紐より息子の靴を履かせたり脱がせたりで忙しい。
そんな生活の中でコンバースは遠い存在になっていた。
ダンナさんが仕事をリタイヤしてスニーカーしか履かなくなった。
彼はローカット派である。
下駄箱にローカットのコンバースが並んでいるのを眺めているうちに、無性にハイカットが履きたくなった。
動画の最後にコーディネートしているのが、そうして買ったコンバース。
後ろに着脱用のファスナーがついていて靴紐を結ばなくても履ける。
だったら買わない理由がない。
白ではない微妙なグレー色を選んだ。
どんな服装にでも合わせられる、デザインの完成度はあの当時のまま。
夏はブーツを履けないので足元コーデに困っていたけれど、これで解決した。
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