SNSで知り合った男性に恋愛感情を匂わせ、巧みに金銭をだまし取るためのマニュアルが作られていました。
「1カ月1000万頂く頂き女子りりちゃんのみんなを稼がせるマニュアル」
「おぢに“お金出すよ”と言って頂くまでの流れ」
「おぢ」とは、お金を出してくれる男性のことです。
SNSで知り合った男性と親密になり、金銭をだまし取るためのマニュアルが、先週、押収されました。
うそのプロフィル設定から勧める
お金に困っていることを伝える言葉を「魔法」と表現。
まずは、うそのプロフィル設定から勧めています。
「1人暮らしのメリット『家賃の支払いの魔法が使える』『退去するときの資金も魔法で使える』」
男性にお金の相談をする際は、一言目に「どうしよう」「実はね…」と言って、困っていることをアピールするよう説明しています。
さらに、「体調が悪くて、あまり仕事に出られていない」などと同情を買うようなセリフも紹介。
金の話ばかりではなく 恋愛感情をにおわせる言葉も必要
一方で、お金の話ばかりではなく、「こんな私きらいになる?」などの恋愛感情をにおわせるような言葉も必要だと説いています。
そして最終的には「考えるのつらい」などと伝えて、相手の男性に「守ってあげたい」と思わせ、お金を出させるよう仕向けるということです。
渡辺容疑者は「頂き女子りりちゃん」を名乗っていた
マニュアルを作成・販売したとして、詐欺ほう助の疑いで逮捕された自称店員、渡辺真衣容疑者(25)。
警察によりますと、渡辺容疑者は、「頂き女子りりちゃん」を名乗って動画サイトに出演。
「1カ月1000万円頂くマニュアル」を、1セット約3万円でインターネット上で販売していたとみられています。
渡辺容疑者は「マニュアルを作って売った。詐欺になることもわかっていた」と容疑を認めています。
マニュアルを購入したとされる“別の女”の初公判が開かれる
そして――
渡辺容疑者のマニュアルを購入したとされる“別の女”の裁判が、28日名古屋地裁で開かれました。
起訴状などによりますと、名古屋市中区の大学生、家田美空被告(20)は、今年3月から4月にかけて、自分に好意を寄せた63歳の男性と43歳の男性に対し、「アダルトビデオに出演する契約書に署名した。出演を免れるための違約金として300万円必要」などとうその話をして、現金合わせて1065万円をだましとったとされています。
28日の初公判で、家田被告は起訴内容を認めました。
その後、検察側は「家田被告は、男性から好意を寄せさせる方法が書かれた“パパ活攻略本”も購入していた。被害男性から現金をだまし取った後は、何者かに拉致されたという趣旨の説明をして、連絡を絶っていた」と指摘しました。
追加料金を支払いSNSの通話で直接詐欺行為の指南
捜査関係者によりますと、家田被告は渡辺容疑者からマニュアルを購入したものの、当初、現金をだまし取れなかったといいます。
そして、渡辺容疑者に追加で2000円を支払い、SNSの通話で直接、詐欺行為の指南を受けていたとみられています。
警察は、渡辺容疑者が他にも数十人にマニュアルを販売して報酬を得ていたとみて、詳しく調べています。
(8月28日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)